大学コース説明会レポート、面接・留学体験談

メイクアップセミナー・レポート -後編-

さて、ここからはショーもいよいよ大詰め、会場のボルテージも一気に上がった後半部分を追ってみましょう。


刺繍メイク1ここでショーは後半に突入。Lizはここで新しいメイクに入る。次のメイクは”Tapestry”(ゴブラン織り)。これは香港出身の学生が考案したメイクで、学部の卒業コレクション作品だそうだ。彼女は刺繍やゴブラン織りをファッション・メイクに取り入れたくて試行錯誤した結果、今回のLeahのメイクにも使っている特殊メイク用のゴム素材のごく薄いものを刺繍台にして実際に糸でゴブラン刺繍をし、それを肌に直接特殊な糊で貼り付けるという方法を編み出した。今回は別の衣装を身に着けたモデルの顔部分に刺繍をしたが、その学生の卒業コレクションの際は顔から服まで刺繍が続いてひとつのパターンになるというスタイルや、服を着せずにボディの部分にまで刺繍のメイクをするというボディ・アートの作品としても完成されたスタイルが登場したらしい。この斬新なアイデアに会場の熱気も高まり、刺繍2さらに「このコレクションを見たマックのショー部門メイクアップ・チームの責任者が彼女にコンタクトして、このアイデアをぜひ自分たちのショー・メイクアップに使わせてほしいので一緒にコラボレートしないか、と言ってきたのよ。彼女はそのオファーを受けて、即ミラノのファッション・ショーへ飛んだわ」という日本にいる学生から見れば夢のような話に皆目を輝かせていた。このメイクのモデルには、休憩のあいだに下地を作っておき、そこに刺繍部分を張るところからスタート。筆に丁寧に特殊メイク用の糊をとり、少しずつつけていく。ファッション・メイクだからといって狭い概念にとらわれず、様々な素材や方法の可能性を探してトライしたことにこの作品のおもしろさがある。「自分の専門分野はこれだから」と自分で制限を作ってしまわず、常に感性をオープンにしておくところに成功の秘訣があるのだろう。

x20050000x.gifLeahのほうは引き続き男性モデルのメイクをやっている。そろそろ終盤にさしかかっていることもあり、だいぶコワキモさが増している。女子学生たちもキャーだのギャーだのと言いながら写メしていたが、さてどんな仕上がりになるのか・・・?すべてのマスク・ピースを載せ終わった後は、色をつけて仕上げていく。目の部分に黒くラインを入れていくが(ちょうど、容疑者の目もとに黒テープがかかっているような風情)、これは映画「ブレードランナー」のキャラクターから取ったらしい。こうしていろいろなもののイメージを断片的に取り入れながら、彼女なりの感性でそれを混ぜ合わせ、発展させ、まったく新しいものを生み出していくというその過程が手に取るようにわかり、観客にも興味深かったのではないかしらん。x20050000x.gif x20050000x.gifそれにしてもコワいメイクである。額横にオレンジの線を入れ、ハゲ部分に黒い色を塗り、パンクスの髪型や動物のしっぽからアイデアをふくらませたという毛(カツラと言っていいものか?)を頭に載せたら、とうとう完成!それまで体にかけていたケープを取り払うと、下にはなんと全身ホンモノのヘビ皮の衣装が!このコワキモ・メイク完成お披露目の瞬間には、会場にどよめきが走った。下が全身タイツだった、だとか、そういったお笑いの要素はこのショーにはなかったようである・・・。彼のキャット・ウォークに、身をのけぞらせながらもおサワリしてみようとする通路側の女性たち。ちなみに、こんなコワキモメイクを平然と作っているLeahも、日本の「お化け屋敷」は苦手なようで、ショーの後行った子供だまし程度のお化け屋敷にも耐えられず、何も見ずに目をつぶったまま中を疾走して5分の行程を30秒で出てきてしまったのであった。「リサーチ用にするもん」といって構えて入場したデジカメは、しっかりと握られたままレンズが開いた形跡はなかった・・・。
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続いてLeahも二人目に取り掛かる。こちらの女性モデルには、重度のケロイドと血管をつくる。時間の関係で完成形に近いところまで作ってあるので、あとは最終的な仕上げを施すのみ。チョコレートを溶かすときにする「湯せん」にかけて溶かしたゼラチンを塗り、でこぼこのクレーターが作ってある。こちらはさきほどのコワキモ・メイクと違い、リアルな負傷を再現するので現実的な迫力があり、ものものしい。しかしLeahよ、よくもこんなものを作っていて気持ち悪くならないものだ・・・。こちらもほどなく完成し、キャット・ウォークをして終了。

再びLizに目を移すと、こちらもそろそろ完成間近の様子。Leahも手伝いに入り、口紅を塗って最後のメイクが完成! 最後にもう一度4人が前に並び、今日のメイクをずらっと眺めると、いやはやなかなか壮観なものである。

Lizの「常にクリエイティブであるためには自分に制限をかけず、常に新しいことに挑戦してくださいね」、Leahの「リサーチとドローイング、とにかくこれを怠らずにひたすらやってください」というそれぞれのメッセージを締めに、大喝采のもとデモンストレーションは終了した。

投稿者 unicon : 2005年12月20日 10:27