2005年03月15日

就職戦線異常ナシ?

来春卒業予定で就職を希望する高校生および大学生の昨年9月末時点での内定率が発表された。
それによると高校生は3~4割、大学生は7割弱だそうだ。
結局卒業までにはもうどこでもよいという選択になって、それなりの内定率になるのだろうが、なんとなく数字のヤリクリに見えて怪しさは否めない。一方そんなヤリクリしてまで就職した大卒も3年以内の離職率は7割を超えるという。

昨年大学院留学で渡英してきた男子学生は厳しい就職戦線を勝ち抜き、聞けば誰でも知っているあるメーカーに就職した。初任地はこの会社の工場がある日本海側の小都市と決まり、初出社の前日の夜到着した。日の暮れた田舎町の駅舎に降り立ちそこで待っていると暗闇の閑散とした駅前広場にゆっくりと工場の送迎バスが来るのが見えた。その光景を目にしたとき、彼は全身から力が抜けるのを感じ、握っていたボストンバッグが手からずり落ちた。”僕は絶対この会社を辞めてやるとその時思ったのですよ”と彼は言い、そして確かに11ヶ月目にやめたのだった。

またある女子学生はとにかくアパレル系の企業に例え店員でもいいから就職したかったのにその夢は叶わず、結局ある大手保険会社に就職した。その会社での彼女の毎日は月曜日に出社後金曜日の夕方まで出張先で過ごし、帰社後出張報告書を作成し自宅に帰るのは夜中過ぎという生活が数ヶ月も続き、挙句に病気で倒れ入院すること一ヶ月結局復職はせず入社後6ヶ月で退職した。

もう一人の女子学生は東京の超一流国立大学を卒業後、大手流通に就職したのだが6年間の間ず~っと商品管理担当という名の分かりやすくいえば倉庫番だった。そして年齢とともに倉庫内の寒風が骨身に刺さるようになったこの冬に彼女は離職した。

このごろ大学院留学希望者の多くが大なり小なりこのような経験をした社会人学生だ。年配者に言わせれば考えが甘いだの今では死語となりつつある根性がないだのという言葉が聞こえてきそうだし、たしかにそう思う。しかし留学という選択に彼らを駆り立てたものは、世界や社会の急激な変動とはある部分無関係に信奉される日本人の学歴主義や就職願望に対するアンチテーゼなのかもしれない。クサい言い方かもしれないが夢とか希望とかがないと人間はやはり生きていけないことの証でもあるのだ。将来は見えないから面白い。人生という線路の行く先が、おやじ狩りの被害者だったり、子供にシカトされる親だったり果ては先細りの年金生活者だったりすることを危惧する学生がまた今日もユニコンに相談に来ている。

投稿者 unicon : 2005年03月15日 15:50