2006年12月01日

有名地方大学の現実

先日久しぶりにI君の訪問を受けた。
I君は京大卒の35歳、日本の銀行を退職後、ロンドン大学UCLの大学院準備コース(半年間)を経てこの9月からマンチェスター大学のビジネス系の(ファイナンス)大学院課程に進学した。
進学を決めるにあたってはロンドンにある大学にするか地方の有名大学にするか相当悩んだようだ。
ユニコンではさまざまな理由によって、このごろは地方大学をあまり勧めていない。特にこのI君が専攻するビジネス系の大学院課程は、近年急激に増加している中国人学生が集中する学科なので十分覚悟するようにアドバイスしたのだが、結局英国大学ランキングや英語教師などの意見を参考にしてマンチェスター大学に決めたのだった。

しかして久しぶりに見たI君はやつれ疲れ果てていた。
彼の大学院のクラスは26名だが、うち20名は中国人(ヤッパシ)で残りはフィンランド人が一人いる以外はインドあるいはパキスタン人の留学生で英国人学生は一人もいない。もちろん日本人は彼一人だ。
授業ではいつも大多数を占める中国人学生がクラスの真ん中に陣取り、英語ならまだしも熱を帯びてくると中国語で議論が進む。
そんなクラスでは友達もできず、やっとトナリの学科にいた韓国人に是非友人になって欲しいとメールで懇願し一人だけだけど話し相手ができたという。

また気晴らしをしたくてもマンチェスターの街は小さいのでパブくらいしか出かけるところがない。その結果パブ通いが増え、先日は飲みすぎて酩酊してしまい、寮の消火器を壊した挙句に気が付けば裸で隣室に寝込んでしまい寮監から大目玉をくらった。

そんなことがあってからは引きこもり状態になり、部屋の中でインターネットを眺める日が続いていて、この間は日本の参議院議員全員のプロフィールを全て読破することに1日を費やしたという。たまに外に出ても自然と空港や駅そしてバスターミナルに足が向く。ある時などは、ふと気づくとマンチェスター空港のカフェで出発便の電光掲示板を眺めながらお茶を飲んでいる自分がいるのだった。
そして今日、街を歩いていてロンドン行きのバスを見ていたら、もういてもたってもいられず思わず飛び乗ってしまいユニコン事務所に来たというのだ。

今はどうか知らないが数年前バーミンガム大学のMBAに入学した学生も同じようなことを言っていた。彼のコースは中国人が95%を占めていてクラス写真を撮ったら誰が見ても中国の大学なのであった。そんな状態に嫌気がさし、授業には出ず殆ど図書館で時間を過ごした。彼は「これでは留学したとは言えないし、授業料がたとえ半額でも入学する意味はない」と断言するのだった。でもそれを選択したのは君なのだ!!

マンチェスター大のI君は「地方のこのような有名大学は大なり小なり中国人学生に蹂躙されている。これではまずいと大学内でも中国学生の人数を制限する話が出てきているみたいだけど、何も楽しみのない地方大学はイギリス人や先進国の留学生には人気がないので仕方ないですよ。」と溜息をつき、トボトボとマンチェスターへ帰っていったのだった。

留学を考えているあなたは生活費が安いとか自然がいっぱいとかの理由だけで、イギリス人の殆どいないクラスで大多数の中国人学生に囲まれ、食生活も娯楽も全て諦めた地方大学の留学生活に耐えることができますか!?
筆者はゼッタイに耐えられない自信がある。

投稿者 unicon : 16:39