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2012年08月13日

【この人に聞きました:メディア掲載】File13. 髙橋みなみさんがメディアで紹介されました!

セント・マーチンズ(CSM)のファンデーション・コースを修了した髙橋みなみさんが、日本教育新聞社が発行するタブロイド紙、「tesio」で紹介されています!


高橋みなみさん.jpg

髙橋さんは埼玉県がグローバル人材を育成するために設置された「埼玉発世界行き」奨学金を授与されたことも以前紹介しています。

http://www.unicon-tokyo.com/interview/archives/2011/09/file13_1.html

以下、記事の内容です。

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いま、社会で生きる力とは--
実社会で働き生きていくためには、どのような力が必要とされるのか。就職活動や高等教育の現場で若者支援に携わる2人と、自らのフィールドを見つけ、将来に向かって学び活動する若者2人に話を聞きました。

ロンドンでアート教育を受ける
ロンドン芸術大学大学生
髙橋 みなみ
埼玉県立高校を卒業後、キッザニア東京でのアルバイトを経て、埼玉県の海外留学奨学生第一期として渡英。University of the Arts London Central Saint Martins College of Art and Designの現代アートコースに在学中。1990年埼玉県生まれ。


“大切なのは、行動力と決断力
 行動しないと何も実現しない”

 小さな頃から漫画やイラストが好きで、中学・高校では美術部に所属していた髙橋みなみさん。進路を考えていた高校3年生のとき、父親の仕事の関係でロンドン芸大を訪問。現地学生の熱意に触れ留学を決意します。
 卒業後は英語力を鍛えるため、英語研修があったキッザニアでアルバイトをしながら、外国人とシェアハウスで暮らしました。
 英国のアート教育は、技術ではなく課題やプロジェクトに取り組みながら、発想力を養う授業が中心です。例えば出されるのは、「手を使わないで描けるドローイング・マシンを作れ」という課題。髙橋さんはペンキを付けたスポンジをサンダルに貼り、顔に固定してスタンプのように紙に押し付けるというプレゼンテーションをしたそうです。
 現地の学生と学ぶなかでディベート力が鍛えられました。視野が広がり行動力も付いたそう。将来は起業も視野に入れ、日本の文化をアートで世界に伝える仕事をしたいと考えています。
 中学生の時に独学でCG制作もしていたという髙橋さんは、「技術は夢や目標に向かっていく過程で身に付いていくもの」と言います。現地で制作経験を積むため、現在、アーティストの村上隆さんのもとでアルバイトもしています。

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ロンドンのアート教育に揉まれながらも、将来のヴィジョンをしっかり持ち実行している髙橋さん。
た、たのもしぃ~!!!!!!
ユニコンは成長過程を見守る親戚のおばさんの心境で、髙橋さんの姿にウルっときてしまいます。
髙橋さんの夢の実現を、ユニコンも陰ながらオーエンしています。

投稿者 unicon : 13:07

2011年09月07日

【この人に聞きました】File13. 髙橋みなみさん

地方自治体から奨学金ゲット!

2011年1月にセント・マーチンズ(CSM)オリエンテーション・コースを受講し、9月からのファウンデーション・コース進学への切符を手にした髙橋みなみさんが、埼玉県がグローバル人材を育成するために設置された「埼玉発世界行き」奨学金を授与されることとなりました。

実は奨学金への申込前に、「Foundationのような学部でもないコースで申し込んでもいいものだろうか…。IELTSのスコアが7.0とか8.0とか持っていなくても大丈夫なのだろうか…」とユニコンに相談してきていた髙橋さん。
その時は「とりあえず申し込んでみよう!」と(結構アバウトな)アドバイスをしたユニコンでした。

そして、その数ヶ月後。
髙橋さんから、見事奨学金の内定通知をもらえたとの報告がありました!

埼玉県人には、とっても有益な情報満載の、髙橋さんからの報告をここにご紹介します。


お久しぶりです、CSMファンデ9月入学予定の髙橋です。
実は前に相談させて頂いた奨学金の内定通知が来ました・・・!
埼玉県からの付与になりますので同時に埼玉県の親善大使にも任命されるようです・・・笑
ロンドンの状況とかを色々レポートしなければならないみたいです。がんばります。
背中を押してくださってありがとうございました!


そして、そのまた1ヶ月後、今後は奨学生を対象とした壮行会の様子をレポートしてくれました。この様子は テレビ埼玉や毎日新聞でも報道されたそうです。

以前埼玉県から奨学金の奨学生・埼玉県親善大使として任命されたことはご報告させて頂いたのですが、先日奨学生を対象とした壮行会が埼玉県で開催され、4年間就学の学位コース代表として僭越ながら壇上で挨拶をさせて頂きました。いっぱいロンドン芸大アピールしてきました!
そして先日、8月6日の埼玉新聞に名前と学校と少しのインタビューが掲載されましたのでご報告します。 
(壮行会には、たまたま同じロンドン芸大のLondon College of Communicationの学生も居らっしゃいました。音楽系の留学生もかなり採用されていたようなのでこの奨学金はもしかすると芸術系にとってはかなりお勧めかもしれません。)


2011年8月6日 埼玉新聞

埼玉県からの奨学金になりますので県知事や県の教育委員長、出資をして下さった各位銀行の偉い方などがいらっしゃり、参加者は私を含め学位を取得する対象の奨学生が10名ほど、大学と提携された1年未満の留学をする大学生が150人ほど、高校生を対象にした高校生留学の方が30人ほど参加されていたようです。


県の偉い方からも埼玉県に関する作品を作ったら連絡下さいと念を押されてしまったので、何らかの形で提出できればいいのですが・・・笑
親善大使としては任意ですが上記のように作品やレポートを埼玉県に送付すれば埼玉県のWEBサイトなどで発表の場を設けてくれるそうです。
結構な金額を出資して貰っているため責任重大です・・・いいプレッシャーになるといいです。

奨学金をただもらうだけではなく、もらった分だけ人より多く功績を上げられれば!と意気込みをみせる髙橋さん。
地元を背負った髙橋さんのCSMでの頑張りに期待しています!


髙橋さんが授与された奨学金はこちら:
「埼玉発世界行き」奨学金www.pref.saitama.lg.jp/site/global/globalscholarship.html


髙橋さんのTwitterID:pepper_ham_stk
(アート関係者からのフォローをお待ちしています!)

 
 

投稿者 unicon : 11:16

2011年01月20日

【この人に聞きました】File12. 岩本吉隆さん

ユニコン学生、またもや奨学金ゲットしちゃいました

2010年秋からCSM MA Fine Artコースで学んでいる岩本吉隆さんが、UALで彫刻を専攻する大学院生を対象にした奨学金The Cecil Lewis Sculpture Scholarshipsを授与されました。

実は岩本さんはロータリー財団からの奨学金ももらっている“チョー”優秀な学生で、赤字が普通の留学財政も彼に限っては大黒字。これは大変めずらしいケースです。本人もウキウキで、この報告に来てくれた日は「こうなれば他の奨学金にも申し込む」と鼻息荒く決意を新たにしていました(だんだん留学の目的がずれてきている?)。

「エーッでもさ、それってあなた奨学金のダブル取りじゃん。ロータリーにお金返さなきゃいけなくなるんじゃないの?」というユニコンの質問に、「へっへっへ、いいんですよ。これでも僕、ロータリーのお世話役の方に一応正直に報告しました。そしたら向こうも“うーん、まあこれは君の作品への“賞金”という捉え方でいこうじゃないか。私たちからのお金は“奨学金”だから種類の違うものだし、そのまま持ってていいよ”って言ってくれたんですよ」って・・・なんという太っ腹!

ちなみに今回もらった二つ目の奨学金の使い道は?「親に返しましたよ、これまでいろいろ出してもらってたんで」って、岩本くん、君はエライ。普通はそこでまっすぐ隠し財産行きだよと言うと「いや、ボクも実は“しまったな、黙ってりゃよかった”って思ってんですけどねーはっはは」ってやっぱり?いやいやわかってるわ、それはあなた流の照れ隠しで本当は親孝行者なのよね。もちろんこの裏話は公開せずに黙っておくわ。留学話に必要なのはやっぱり美談よね。

さて、ここで岩本くんの持ってきてくれた奨学金授与式の様子や奨学金応募時の作品の写真をお見せしながら、本人の感想を聞きましょう。


(向かって左が奨学金提供者であるCecil Lewis氏の娘さん、右3人が今回の彫刻奨学生。)


当日は和やかな雰囲気で、「絵を見ながらお酒を飲んで、奨学金提供者とお話をして、ついでに他の奨学生とも友達になって情報交換しよう」という感じでした。


(別の奨学金をもらった陶芸学科の学生と。)

今回の奨学金には大学が始まってすぐに出願して、決定の知らせを受けたのが10月、レセプション(イベント)が11月末に開催されました。もともとはUALから「こういう奨学金があるからよかったら申し込んだら?」みたいなメールが来たので「んじゃ、試しに」って感じで出してみたら受かっちゃった、という感じでした。

石の作品をやってると言うと古い古い(Old Fashioned)とこちら(イギリス)では言われますけど、僕はそんなことはないと思います。だって、実際にはそう言いながらも僕のことを入学させてくれたし、入ったら入ったで石をやってる人間はめずらしいのでおもしろいと言ってくれる。そこで今回の奨学金応募時のStatementには、僕が気付いたこととして「“これこれの素材をやっているから古い”ということじゃなくて、そこにどういう現代性、コンセプトを表現できるかということが問題であって、それができさえすれば素材の古さというのは関係ないのではないか」ということを書きました。
また「なんでお金が必要なのか、どういうふうに使うのかを書け」といわれたので、「僕は石をずっとやってるので、設備費も経費もかかる。そして材料費もかかる。だからお金ほしい」と単刀直入に書きました(笑)。

ただ、彫刻の奨学金とはいっても別に必ず彫刻を作れってわけではなく、何を制作してもいいという太っ腹な奨学金です。実際、今回の奨学生3人とも現時点では彫刻を作ってないんですよ。なので「おれたち彫刻の奨学金もらってんのにみんな絵かいてて、全然彫刻やってないよねーっ」と冗談言い合ってます。

ボクはMAに出願する前にCSMのオリエンテーション・コースをやったのですが、これがかなり効いたと思います。僕は日本で大学院まで出ているので、基本的にアート初心者向けコースであるオリエンでは、そりゃ技術的なことは「今更これやらなくてもいーんだけど」的なことももちろんありました。でも、そういうことでない、もっとイギリスの美大で勉強するにあたっての根本的なキーポイントを学べたと思うのです。

日本にいる時からオリエンを経てMAに出願する前までの間に何人かにポートフォリオを見せましたが、日本で会ったコリン先生(UALの国際部職員で、自身も現役の彫刻家)は褒めてくれたけど、別の何人かの教授にはけなされたりして。同じものを見せてるのになんでこうも反応が違うのかなって思ってたんです。

それでこちらでオリエンをやって、英語学校に通ってIELTSを伸ばして、PAEPに参加してコースが始まって・・・といろんな段階を経て今回の奨学金受賞までこぎつけたわけですが。そういうプロセスを全部振り返って今考えれば、僕が作品を見せた当時けなした人たちも、あのとき既に僕がこちら流のコンセプトに則ってきっちりした英語で(アカデミックな美術評論家が使うような専門用語をちりばめつつ)プレゼンをできていれば理解してくれたんじゃないかな、と。やはり結局は英語力が一番大事っていうか。そういうことを痛感しています。要は作品がいいことはもちろんですけど、ある意味それより大事なのが「見せ方の問題」ってことですよね。

日本人はコンセプトについて考えないし、説明できないし、うまく見せられないし。技術的にはみんなとてもうまいのに、それを英語で表現したりきれいにポートフォリオにしてうまくプレゼンする力がないんです。そういう授業自体が日本にはあまりないから。そして英語もできないし。なので、そういうところで損をしているのかなと思います。何といってもモノを言うのは英語力なんですよ。

ちなみに、これが今回僕が奨学金用に提出したポートフォリオの一部です。

YoshitakaIWAMOTO_3.jpg
筑波での大学院生時代の作品。
これは白金台でグループ展をやったときの展示風景です。
タイトルは「スプリンター(破片)」。月の表面を切ったようなイメージの作品にした。
YoshitakaIWAMOTO_4.jpg
上記写真真ん中に見える作品
YoshitakaIWAMOTO_5.jpg
絵画作品。
Sculpture Awardとは言っても、あくまでメインが彫刻であれば絵の作品も提出可。なので、「こういう絵で表現したコンセプトを彫刻として表現してみたい」という書き方をすれば全く問題なしです。


今回の奨学金に関しては、生まれて初めて“Award”というものをもらったので感無量でした。これでやっと履歴書に書けるものができたっていうか。この奨学金はHomeとInternationalに部門がわかれていて、Internationalの候補生選出にあたっては「英国にないおもしろいもの」を探していると思います。なので、日本人として日本でやってきた作品を見せたということは絶対に大きかったと思います。日本でやっていることは、ロンドンの人から見るとめずらしいことも多いと思うんですよ。それを「英語の文脈」にちゃんと変えてプレゼンして見せることができれば何の問題もないのではないか、と思いました。「日本でやってることをこっちに持ってきて、こちら流の提示のしかたをする」ということです。それができれば絶対におもしろいと思ってもらえると思います。こういうことを日本の学生にももっと知ってもらって、もっと後続が出て欲しいですね。


な、なんと頼もしい。これからも奨学金ハンターとして、いや奨学金が向こうから追いかけてくるような一人前のアーティストとして、羽ばたいていただきたいわ。ユニコンも陰ながらオーエンしてます。

岩本さんが授与された奨学金はこちら:http://www.arts.ac.uk/lewis-scholarship-pg.htm

岩本さんのサイトはこちら:http://yoshi-iwamoto.com/index.html

投稿者 unicon : 10:38

2009年12月06日

【この人に聞きました】 File10. Kさん

Chelseaの学生がFine Art奨学生に抜擢されました

ユニコン学生数多しといえど、これまで選ばれた人のいなかった「全額奨学生」に、ChelseaでMA Fine Artを専攻するKさんが抜擢されました(2008年北京オリンピック男子陸上400メートルリレーで銅メダルを獲得したアンカーランナー朝原宣治さんに似ていることから、ユニコン内では「アート界の朝原くん」と呼ばれている。本人が極度の照れ屋のため、実名は今回伏せておきます)。それを記念して、というわけではありませんが、どうしてイギリスで勉強することになったのか、これまでどんな経験をしてきたのか、将来の展望について、など、諸々のお話をしてもらいました。

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もともと外国には行きたかったんです。親の刷り込みでしょうか、両親が若いときから美術関係の仕事をしているのと二人とも外国旅行が好きだったので、子供のときから夏休みはほとんど海外で過ごしていました。・・・といえば聞こえはいいようですが、安いレンタカーで安宿を点々とし、ほぼ毎日自家製ハムサンド食べて家族4人で毎年ヨーロッパ各地の美術館を回る、という結構ハードコアな1ヶ月で。今、大人になって聞けばこそ贅沢な気がしますが、そのときはとにかくお腹が痛くなるくらい嫌で嫌でしょうがなかったです。飛行機も凄い嫌いだったし。それにみんなは家でごろごろしたりプールに行ったりしてるのに、僕だけ全く違うことをしていて、夏休み後の話題が全然友達と違うんです。だから、毎年休みの後は学校に馴染むのがすごく大変でした。だからこのから芸術家ッてやな人達だなッて思ってました。でも不思議に自然と「海外には出るものだ」という思考回路が培われたのも事実です。考えてみれば、日本の近代教育は西洋のものにもとづいていますしね。もちろん、子供の頃にそんなことまで考えていたわけではありませんが。

だから矛盾するようですが、進路に美術を選んだことについても、「そうするもんだ」と思っていました。アートに進むのが普通、みたいになってて、それに対して特に深くは疑問を持たなかった、というのが正直なところというか。たださしてアーティスト志望だった訳でもなかったので高校の夏期講習で美術予備校に行ったら、ものすごいカルチャーショックで泣きましたけどね(笑)。「女の子が坊主だよ」「ベルボトムだよ!」「ハンチングだよ!!」「何だ、この人達!!!」みたいな。で、まあその流れで美大に行くことになって。とはいっても、美大に入るまでに2浪して、そのときはまた泣きましたね。「自分、できないじゃん」と気づいたんですよ。それまでは、ちょっと絵を描いてもK君はうまいねー、すごい、といわれていたのが、「あー俺って最底辺なんだなー」と。ただ親の反対とかはまるで無く、ホントにすげー支えてくれて。ソレは凄く有り難かったなーと思います。それで、なんとか学校に合格出来たのですが、大学時代は学校にはろくに行かずに本当にブラブラしていました。コレについては凄い反省と後悔しています。今,イギリスで勉強していて良く思うのは日本の大学の設備やシステムは,とても恵まれています。ソレはコチラの学校では絶対に手に入らない物ですし、とても恵まれた環境にあると思います。ソレを僕は愚かにも棒に振ってしまった訳ですから‥。その上,内部生はほとんど落ちる筈のない自分の通っていた大学の大学院にも最終的には入れてもらえず‥。ソレで今、一からやり直している訳なのですが‥。


ただまあ僕の言訳としては、小さい頃からなんとなくアーティストだ芸術家だって言っても小さなコミュニティー作って、縦社会の中でやっていて本来自分たちが否定していた筈の生き方をしているんじゃないかなと感じてしまって‥。まあ、こっち(英国)に来てそれは多かれ少なかれどこも一緒だと悟ったんですけどね。ただ、そのときはそんなこと分かるわけがないので、とにかく日本の美術界って矛盾だらけなのかもなと、感じていました。ソンでソレを良い訳に,学校も行かずブラブラしてました。

それで、まあとにかく大学を出てしばらくフリーターをして中途半端な僕は現実から逃げたかったのもあり、その後何故かパリに行きました。パリを選んだ理由としては、一番苦手そうな土地に住んでみようと言う事で、おしゃれなイメージのあるパリに行って見る事に決めました。おしゃれッて苦手なんです。デモパリッて思っていたのと全然違って凄く良い所で。自分の思っていたようなおしゃれな街では良い意味でなかったし。ただ最初は凄く大変でした‥。それまで英語すらまともに喋れなかったからホント二ヶ月くらいアーウーとかウーアーしか言ってなかったです。それでもちんぷんかんながらもフランスで語学を勉強しているうちに、理論やら文法やら、「勉強するのって凄いおもしろいな」と思ったんです。それではじめは半年いるつもりで行ったのが、家賃2万円(風呂なし、階段8階、トイレ共同)の部屋にすんでいたおかげで生活費も安くすんだのもあって、ソレと何より途中から、祖父の後押しも得られて結局しばらく滞在出来ることになりました。ソレで油絵とかも描き始めて。ホントに僕は大学時代は真剣に学校に行かなかったし、そういう意味ではフランスが転機でした。

ただフランス帰国後の就職活動は本当にへこみました。またもや「実は自分、何もできないんだな」と気づいた時期でした。今度は美術のスキルとか言う問題ではなく、現実的に役立たずと言う事が突きつけられた時期でした。とにかくなんでもやって、それはそれで意味がありましたが、とにかく大変でした。そんな中、家族の影響が非常に大きいと思うのですが、小学校の先生と言う仕事に就けたらいいなと思い始めました。理由としては、自分はいやいやながらも子供の頃から物を作る人や美術品に囲まれて育ったおかげで,いわゆるアートッて物に対してニュートラルでいれると思うんです。そしてその感覚が今の自分にものすごく大きな影響を良い意味でも悪い意味でも与えていると思うんです。なんか今ッてイギリス人も日本人も結構,いろんな事に構えてる気がするんです。例えばアートとかアーティストッて言葉に。だからそう言う偏見とか抜きで,子供に作る環境や見る環境が日本にもあったらなーと思って。それとフランス語をやったときに語学のおもしろさに目覚めたこともあり、卒業後はインターナショナルスクールで美術を教えることが現在の目標です。英語を使いながら子供達と接っせたら良いなあと思うし。ただ今の語学力では全く自信がないのでまた勉強しないといけないのですが‥。英語はホントに大変なので皆さん頑張って下さい。

とにかく教師になったとして一番取り組んでいきたいと思うのが、僕も良くわかった気になってしまいがちなのですが、知る事と理解する事は違うんじゃないかなと言う事をミンナで考えれたらなーと思います。ソレが結局,偏見や勘違いを産むんだと思うし。一番初めにそういうことについて考えたのはフランスにいたときでした。フランスの本当にいいところは、前にも述べたように日本人の知ってる「フランスのいいとこ」じゃないじゃん、「みんなが知ってること」って嘘じゃん、と感じたんです。日本は島国だからなかなか他所の国に行くのが難しいとは思うんです。だから結構情報に頼ってしまうと思うんですけど、結局情報ッて誰かのフィルターを既に通しているので、ソレがミンナに取っての真実かどうかはわからないと思うんです。いろいろな情報に頼ってしまう事によって今でも西洋に対して誇大妄想持ちやすいと思うんです。例えばこれはホントにあくまで僕個人の主観ですが、僕のみている限り他の国(イギリス人も含め)の学生も日本人と良くも悪くも人間としては基本的には変わんないと思います。別にイギリス人だからッて皆が皆、絵が上手い訳でもないし、面白い物を造る訳でもない。そして僕のように日本から来る学生さんには、日本の勉強をもう一回自分なり見直せたら良いのではないかと思うんです。例えば日本の教育では入試のためにデッサンばっかりやらされて、などと言うけど、デッサンの良い所は絵が巧くなるとかではないんだと思うんです。めんどくさいデッサンをする事によって客観性と忍耐力が養われる事が一番大事だと思うんです。ちなみにホント僕が言うのもおこがましいんですが,客観性と忍耐力ッて日本人の美徳だと思うんですよね。しかもデッサンッて凄い地味だけどホントいろんな物が見えてくるんですけどね。ただ僕はそう言う所がすごい古くさいんで,今時はやんないのはわかってるんですけど‥ごめんなさい。

ちなみにコースは凄く楽しいです。チェルシーは立体をやる人には嬉しい事にかなりワークショップが充実してます。これはロンドンの大学の中でも屈指だと思います。スタッフもミンナ凄く親切だし。アーとかウーとかしか言わない僕にも色々手取り足取り教えてくれるし。ただ正直、自分としてはFine Artってそんなに価値あんのかな?自分の人生に・・・なんて思ってる部分が今でもあって、勉強は楽しいけれど特に去年はすごく不安でした。物を造る事は凄く好きなんです。ただこれからMAを卒業して、院卒って肩書きを持ったところで何の意味もないじゃないかなとタマに思います。マア僕の場合基本的にウジウジした性格なので今は,ここまで来たのだし出来るだけポジティブで行こうと今は心がけています。

それになにより、こうして奨学金をいただけて、学費も生活費も何ら心配することなく伸び伸びと一年勉強できるというのはうれしいことです。後、なにより僕みたいのでも人に認めて貰えたと言う事は、単純に凄く嬉しいし有り難いなあと思います。生きてて良かったなーみたいな。とにかくほんと感謝です。それとPost Graduateコースにいる間に現代アートの知識が少しつきました。それまではほんと現代アートと言う物に関してはほとんど無知だったのですが、やはりそのあたりの分野にはこの1年でちょっとは詳しくなりました。それにやってみると意外と面白かったです。ただ周りの学生はホントに色々良く知っているので,今でも良く恥ずかしい思いもします。とにかくMAを出たら、次はインターナショナルスクールの教師資格が次の目標です。それがなんとか取れたら、先生になるべく就職活動してみようと思っています。

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さすが奨学生、というべきか、独自の視点を持ってこれまでのことやこれからのヴィジョンを語ってくれたKさんのお話に、「ほぉ~~、なるほど」の連続でした。彼が先生になって子供たちの教育をする、その日が遠からず来ることが本当に楽しみです。こういう先生に美術を教わることになる子供たちは幸運ですね。その教え子からも、また世界に羽ばたくようなアーティストなりデザイナーなり先生なりが出るのでは?と、これからの美術教育に思わず期待が高まったインタビューでした。

投稿者 unicon : 00:29