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2010年09月10日

通り名は「ワーホリ」 - Youth Mobility Schemeについて

もともと、「ワーキング・ホリデー」は、日本―英国間で行われていた「Youth Exchange Scheme」の俗称として使われていた言葉です。「Youth Exchange Scheme」の形が変わり、名称も「Youth Mobility Scheme」に変更されましたが、いわゆる「ワーホリ」の流れをくむビザは引き続き存在すると考えて問題ないでしょう。

2007年から45年ぶりという規模で進められている移民法の改定のうち、大きな柱のひとつはポイント制にもとづく「Tier」(段階)の導入であることは、みなさんもご承知のとおりです。従来のビザをTier1からTier5に分類し、各Tier申請時の審査は、既定のポイントを満たしているかどうかで行われます。

このうち、「Youth Mobility Scheme」は「Tier5」のカテゴリに含まれています。このビザの取得が認められているのは日本のほか、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、モナコのみです。日本は1年あたり約1000人と定員が定められており、定員に達した時点でその年の申請受付は締め切られます。ちなみに2010年の受付は定員に達した1月18日で打ち切られました。2011年の受付は来年1月1日より開始される予定です。

名称変更にともなう大きな変更点は、滞在許可期間の倍増という点です。従来の「Youth Exchange Scheme」では最長12カ月とされていましたが、「Youth Mobility Scheme」では最長24カ月と一挙に2倍になりました。滞在許可期間が切れた時点で自国に戻ることが原則です。

滞在期間中、基本的に行動は制限されません。学生ビザの取得が大変複雑かつ困難な現在、このビザを就学目的で取得するのもひとつの方法でしょう。

●●● 主な申請条件 ●●●
●申請時の年齢・・・18~30歳
「Youth Exchange Scheme」に関しては例外が認められるケースがあったが、「Youth Mobility Scheme」では、この年齢制限は厳守されるべき旨が通達されている。
●必要な所持資金・・・1,600ポンド
・資金証明の際使用する口座はYMS申請者本人のものでなければいけない。
・資金証明は銀行発行の英文残高証明書でも大丈夫だが、必ず
 口座名義人名 / 口座番号 / 証明書発行日 / 資金証明発行機関の名前とロゴ(社印)
 が入っていなければならない。
・資金証明の発行日はYMS申請日から遡って1カ月以内でなければいけない。
・また、1,600ポンドと一緒にはじめの1か月分程度の生活費を口座に保持していることが強く
 勧められている(が、それがないと落とされる可能性が高いのかどうかは謎である。)
●申請料金・・・125ポンド(約17,280円、2010年9月9日現在)

●●● 注意点 ●●●
・配偶者、子供を同伴することは許されない。配偶者自身もYMSビザを取得している場合、
 YMS以外のビザ(就労、学生ビザなど)を持っている場合はもちろん同伴できる。
・以前に「Youth Exchange Scheme」に参加したことのあるものは申請することはできない。
・銀行が英文の残高証明書を発行できない場合は、翻訳専門機関など、英国ホームオフィスが
 「正式」とみなす書類作成の資格を有する指定機関に翻訳を依頼することが必要。その際翻訳
 機関から必ず翻訳証明書を発行してもらうこと。翻訳証明書には証明書発行日、証明書発行
 責任者名とサインを入れること。

●●● 2011年申請者に適用される大きな変更点 ●●●
従来の「Youth Mobility Scheme」では医師や歯科医師として英国内で働くことはできませんでしたが、2011年より以下の条件を満たしているYMS保持者にはそれが許されます。
・Tier4のスポンサーライセンスを持っているイギリスの大学で医学部や歯学部を卒業している。
・申請者名、学位名、学位取得日、学位を発行した機関名(大学名)が記載されている卒業証明書
 の原本が提出できる。
もし渡英後に医師や歯科医師として働く可能性がある場合は必ず申請時に提出しておきましょう。(医師として申請したからと言って必ずしも医師になる必要はないので。)

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