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2005年12月06日

【なに様ブログ】
現代大学生怪談

「私、日本の大学やめたいのです」

今日も相談に来た現役の大学生からこの言葉を聞いた。このごろやたらと大学中退を希望する学生の相談が多い。ロンドンには多くの日本の現役大学生が長期の休みあるいは休学して留学している。ことに近年は英国で学んだことを単位として認める日本の大学が増えるとともに、英国の大学などでもJYA(イアーアブロードコース)と称する日本の大学休学生向けのコースを多く開設していてその留学を後押ししている。ところがこのような学生が、予定した留学期間を終えても日本に帰りたがらないのだ。理由はせっかく英語に慣れてきたのにすぐに帰ってはもったいないとか、もう少し自信をつける必要があるとか色々言うのだけれど、要は授業もろくに行かず、バイトと合コンに明け暮れる、いわゆる典型的な日本の大学生に戻りたくないのだ。大体大学の1、2年生で留学したいと考えること自体、日本の大学が面白くなかったのだ。面白ければ海外に行こうなどと最初から考える訳がない。

昨年日本事務所にある女子大生が相談に来た。彼女はまだ入学して3ヶ月だったが、ご多分にもれずカラオケや合コンそしてバイトに忙しい毎日で、こんな筈ではなかったと思いながらも周りの学生も同じような生活を送っているのでついつい流されてしまう自分に不安を感じると言っていた。そこで思い切って海外に飛び出そうと考えたわけだが、親はせっかく入った大学だから卒業しろと言うし、教師は外国大学を卒業しても就職もないと脅すのでどうすれば良いかという相談であった。親子関係だの師弟関係には深入りするつもりもないし、逆にそれらのコメントに異論をはさむとすれば話が終わらなくなるので、今の自分に正直に公開しないことが大切ではないかというような当たり障りのないアドバイスをしたのだが、彼女が急に泣き出し鼻水まで流されたのには参ってしまった。

先日、日本の某一流私大の経済学部を卒業した学生が、こちらの大学の芸術系の基礎コースに申し込みたいという問い合わせがあった。全てやり直しとなる今後のプランやそれにかかる費用に及ぶと突然この学生は「僕は大学の選択を最初から間違えたんだ!!あの日本の大学に払った金があればと思うと悔しい」と逆切れした。

中退の動機はさまざまだ。確かに日本の大学を出ても意味がないと感じてる多くの大学生がいる。大学生活を有意義に過ごすか否かは全て本人の問題だという正論をふりかざし社会や大人が説教してみても未熟な学生たちには通じない。かえって未熟なだけに無理やり自分の希望や意思に反したことをやらされるとその恨みをず~っと根にもつ。ある学生が言っていた。「親や教師そして学校のために我慢して大学を出てやったのだから、あとは彼らに責任を取ってもらうし、一生とりついてやりますよ。」お~こわ!!

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