bar

« 第12話:君よ地獄でオニとなれ | top | 第14話:アート世界へようこそ »

第13話:オレの留学

2002年9月、当時3Kコース(基準が高い・カネが高い・過酷な勉強)と陰口をたたかれていたキングス・カレッジ(ロンドン大学)のファウンデーションに入学した静子さんがオニ勉強地獄に片足を突っ込みかけていた頃、はるか山形県では一人の少年(17歳)がつぶらな瞳をロンドンに向けていました。少年(山夫君)は1年後に静子さんの後輩になる運命にあるのですが、気骨が売りものの山形県人の例に漏れず、山夫君は良く言えば根性と気力とプライドのかたまり、そのままを言えば、頑固で口ベタで融通の効かない○○カモノ。女性色に偏ってきた「だって、ロンドンに行きたいもん」に荒々しい東北の新風を。

   
山夫君
(山形県山形市出身)
 1984年5月生まれ。
 5人家族3人兄弟の次男
 尊敬する人物:坂本竜馬、シャア・アズナブル
 ●ユニコンと出会ったのは高校3年生のとき

●●山夫、2008年5月、ロンドンで自身の青春を総括する●●
(思い込みが激しく時折自己陶酔するキャラのため、意味不明なところもあるかと思いますがご了承くださいー編集者)

「手前の人生をつまらなくしてんのは、お前だ」
そんなロックな刺激が欲しかったのか。 5年もこんなところに居ちまった。気付いたら「若者」から「若年寄」へ。セーラームーンの変身よりも過激に後ろ方向へ変身を遂げたオレは世界の片田舎「ロンドン」で暮らしている。

どこからこの人生は始まったんだろうか?そしてどこに向かうのか。人生という数式を解く鍵はどこにあるのか?永らく考えていた答えは簡単だった。
「Vertical Infinity = 無限」= 考える奴ァ、馬鹿ってことだ。

丁度雨だし、外に出ていいことはないんだから。だからこんなヒネクレモノの生い立ちを聞いてくれ。

山夫君の18歳までの人生は…
幼いころから活発やんちゃな性格でよく周囲を困らせていた(らしい)。小学生の時にドイツ観光旅行や英国での夏休み語学研修に行く機会に恵まれ、海外に対する意識と興味が湧き始める。

地元の進学高校に進んだオレは、中学から続けてきたバドミントンで輝かしい成績を残すなど文武両道で忙しくも楽しい生活を送るも、一方で自らの将来について真剣に考え始めるようになる。3年生となり、周りが次々と志望大学を決断していた中、周囲の反対を受ける等、疎外感にかられながらも自身で海外留学を決意する。ユニコンの東京事務所を訪れたのは2002年の暮れだった。

2002年5月、フク子、ロンドン入り
日本を出るまで心残りだったのがサッカーのワールドカップ。アジアでサッカー世界大会と言えばトヨタカップ(現・クラブワールドカップ)くらいだったから、日本を出ちゃったらその渦中に居られないのが悔しい。が、世の中意外とうまく出来ているのが後でわかる。

ロンドン到着日は夕食後シャワーを浴びすぐに就寝。おかげで時差ぼけって何?という勢いでのロンドン2日目だった。語学学校はセント・ジャイルズのセントラル校。後で聞くと、ほとんどのユニ学生はハイゲート校を選んでいたらしいが(そして私もやがてハイゲート校に移ることになるのだが)、これはIさんが熱心に勧めてくれた学校であった。

初日放課後、近所(徒歩5分)にあるはずのユニコン事務所に行こうとしたのだが妙に迷ってしまい、ようやくたどり着いた先では「こんなにわかりやすい場所なのに迷子になるなんて」とユニコンの人にバカにされてしまった。ま、そんなことでむくれても仕方ないので、とにかく今後の道筋を立ててもらうことに。

渡英の時期が微妙なのか、それともIさんのプランが甘かったのか、少々もたついた感のスケジュールになったが、まずはロンドン芸術大学の来年度ファウンデーション入学をターゲットにすることに。

具体的には、予約してきた3ヵ月間の語学学校を終えたら、セントマーチンズ・カレッジ(以後セントマ)のサマー・コース(4週間)を受講。そこで作った作品を使って同じくセントマ実施の(ブラック・ボックスの異名を誇る)オリエンテーション・プログラム(9週間)に滑り込んでファウンデーションの席をゲットするというのがユニコンから提示されたプランだった。
このプランで行くと今からファウンデーションの席ゲットまで7ヵ月しかかからない。て、今年の12月でカタがつくってこと? じゃ、来年の1月からファウンデーションが始まる9月まで何をして時間を潰せばいいの?と動揺する私。
 「8ヵ月間もロンドンでぶらぶらしててもカネの無駄だから、オリエンテーションが終わったらすぐ日本に帰ってバイトしてカネを貯めて来なさい」のサッパリした返答。ああ、もう3ヵ月早く渡英していれば今年9月からのファウンデーションに行けたってこと?! 
「そう。英語の問題が無ければ今年の入学が可能だったのだけれど。渡英するのがちょっと遅かったね」 くーっ、どうせほとんど行ってなかった高校なんだから、さっさとロンドンに来ていればよかった……

ところで、ロンドンといえばパブ。セント・ジャイルズでの3ヵ月間はほぼ毎日パブに通った。あるときは超早朝から、またある時は授業を抜け出して、そして放課後は always。そう、ワールドカップを見るために。学校の先生に「今日は日本戦だから」というと宿題をさっと渡してくれてGOOD LUCK!(早くお帰り)。このときばかりはサッカー馬鹿の国民性がありがたかった。こんな国際性のある語学学校で知りあった各国の友達と一緒に毎日サッカー三昧。
この間に語学力がぐっと伸びた気がする。サッカー批評やパブに関してだけだが。


投稿者 unicon :

« 第12話:君よ地獄でオニとなれ | top | 第14話:アート世界へようこそ »