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第24話:熊子がアート

時間と経費をなるべく節約するため、ロンドン上陸の翌週から語学学校と夜間アート・コースを掛け持ちするという作戦に出た熊子さんです。がんばり屋だし、頑固だし、オトナだから何とかなるでしょう。

熊子のプチ・アート@セント・マーチンズ(2005年1~3月)
渡英直後はまだ「LCPに行こう!」と思っていたので、ナイスなポートフォリオを作るべく、セント・ジャイルズ校と並行して、セント・マーチンズで週1度のパートタイム・コースを受講することにした。

取ったコースはLife Drawing for Beginners(ヌード・デッサン)とGraphic Design for Beginners (グラフィック初心者向け)で、それぞれが週に一度の10回コース。コースはロンドン到着の翌日から始まった。

クラスメートはトータルで10人ちょっと。私以外は全員(英語に問題が無い)EU圏内の学生だった(コース初日はもう一人日本人がいたのだが、あっという間に消えてしまった)。初日は自己紹介から始まったが、私が話し出した途端(あり得ない英語を聞いたせいだろう)みんなびっくり顔になっていた。英語は訛っていないはずなんだけどな~それとも英語に聞こえていない?

私にはGraphic Designのコースの方が楽しかった。Beginnersとはいえ、集った生徒は何かしらデザインに関係があるから共通のトピックを探しやすい。印象的だったのはSelf Portraitのプロジェクト。また、ちょうどその時バーンビカン・センターで催していたGraphic Designの歴史展をクラス全員で見学したのも思い出深い。
そのExhibitionやGraphic の歴史についてリサーチし「この展覧会のPreview party招待状を作ろう」とか「タイポのみでいろんなモノを表そう」とか、「タイトル無しの映画のポスターを作ってみよう」とか、色々なチャレンジを試みた。

造るだけでなく、シメとしてクラスメート全員の前でのプレゼンテーションがある。完成した作品と共に作品完成に至るまでのリサーチや試作品、失敗作品なども一緒に見せて、なぜそれを作ったのか、どうしてそこがそうなったのかを説明しなくてはならない。もうね、これがこの上なく苦痛タイムなの。だってコンセプトが元々お粗末だし、それを説明する英語もお粗末だし。せめてコース初日にいたもう一人の日本人が残っていてくれれば、私の苦痛も痛み分けできたのだが。1人ぼっちになってしまった私のその後の珍獣っぷりといったら、もう。

それでも10週間頑張れたのは、チューターもクラスメートも忍耐力のあるいい人たちだったから。私のアホ作品でも「うんうん」と言って見てくれ、おもしろい点を強引に探して褒めてくれ、アドバイスをしてくれる。プレゼンテーションで「あのー英語へたっぴでめんごです」と言ったときだって、「でも、今あなたが言ったこと私全部理解できたわよ」なんて言ってくれる。
最後のプロジェクトはSelf Portrait (自分の肖像)というもので、私は当時よく見る夢を題材にした。プレゼンで「近頃は英語が通じなくて困ってる夢ばかり見る」と言ったら、「そんなことない、あなたの英語はこの2ヶ月で本当に上達したわよ~」とフォローされ、大変嬉しかったのを覚えている。

Life Drawingの方はGraphicに輪をかけて珍獣だったので、もうここでは書きたくない。

アヒルさん達へのインタビュー
●●一億円あったら何に使いたいですか?●●

静子 :家購入
福子 :旅行に出かける。旅行から帰ったら大学院に行く。
 残りはマン島の口座(タックスフリー)に保管。
熊子 :母と半分こ。自分の分でマンション購入(東京じゃムリか…)
シマ子 :10億円にすべく画策する。


2005年の日本
●中部国際空港(セントレア)開港
●「愛、地球博」(愛知万博)開催
●「ドラえもん」の声優が交代
●JR福知山線脱線事故(死者107名)
●北朝鮮が日本海に向けてミサイルを発射
●レッサーパンダ「風太」が立つ
●芸能人 :倖田來未
●流行り歌:青春アミーゴ
●流行語 :エロかわいい、想定内(外)
●ベストセラー:電車男、のだめカンタービレ

2005年の世界
●ロンドン同時多発テロ発生
●ローマ教皇パウロ2世死去
●ブッシュ、2度目の米大統領就任
●中国―台湾の航空線が56年ぶりに開通
●香港ディズニーランド開業
●ハリケーン「カトリーナ」がフロリダ上陸

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