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第06話:17歳の選択

アヒル第1号がロンドン・カレッジ・オブ・ファッションにデビューした頃、静岡ではアヒル第2号がロンドン留学への確かな足場を築きつつありました。 「留学だとぉー?」担任の教師には真っ向から反対され、優しい両親を当惑させ、それでも君は行くのか、ロンドンへ?

静子、高校2年生の回想(2000年)
留学してみたいなぁ~と思いつつもどうすればよいのかわからず、高校の英語の先生に相談したところ、「まずは日本の大学を卒業した方がいい」と言われました。留学なんかすると、スタンダードな人生のレールからはみ出ることになるし、日本の大学を出ておかないと就職が難しくなるだろうというのが理由でした(先生の言う《大変》の意味とは多少違っていたが、留学が大変ということ自体は正しかったと思います。大変なことは別に悪いことではないと思うけれど…)。
留学の方法を聞きにいったのに、留学はしない方がよいと言われて戸惑いましたが、私が知りたいことではなかったので先生の意見は心の隅に追いやりました。

両親は、私の「留学」という選択に当然ながら驚きました。というか、それまで日本国を一度も出たことのない親にとって外国自体が未知の世界で、そんなところに18歳の娘を一人で送り出すことに親としての責任や心配・不安を感じたからでしょう(当たり前だと思います)。


高3の夏。父親連れでユニコンのドアをノック(2001年)
2001年の夏に、当惑気味の父親を引き連れて上京。ユニコン東京事務所でミスターSに会いました。話題はすぐにどんな留学計画が私にとって最適なのかという点に進みました。

わたしの将来の夢と目的、現時点での成績や英語力、性格、適正という材料を調合した結果、「英国最難関の文系ファウンデーションを目指そう」というターゲットをミスターSから提示されました。当時の最難関ファウンデーション・コースといえば、ロンドン大学キングス・カレッジ。要求されるのは、5.5以上のIELTSスコア(ただし、Reading とWritingスコアは6.0以上であること)、高校の最終成績評価が4.0以上であることの2点。

渡英前の具体的準備としてミスターSが示したのは、「高校卒業まで平常の授業の手を抜くな、高校課程までの英語教科書(文法)をしっかり消化しろ、くだらない英会話学校にカネを使うな、渡英前に日本で一度IELTSテストを受けろ、高校を卒業したら静岡でタラタラしてないで早めに渡英してロンドンの優良な英語学校に数週間通え、その英語学校での数週間を終えたらIELTSテストをもう一度受けろ」というもので、これがそのまま具体的な留学プランになりました。こんな話をしている間も、父が口をはさむことはほとんどありませんでした。

父親はもともと自分の意見をあまり言わない人なので、内心どう思っていたかわかりません。でも母親は若いとき自分も留学したいと思っていたこともあり、私の気持ちを理解してくれました。家に帰って3人で話し合った末、「あんたが決めたことだから頑張れるなら応援するよ」と、最終的に合意してくれました。

友達は「いいな~、羨ましい」「すごいね、勇気あるねぇ!」「なんで、留学しようと思ったの?」「頑張ってね」「遊びに行かせてね」などなど、ポジティブな反応ばかりで特に批判的な意見はありませんでした。とは言うものの、実のところは(わたしが通っていた高校は地元では著名な進学校で誰しもが日本の有名大学を目指すエリート軍団だったので)わたしの選択は彼らにちょっとした「衝撃」を与えたはず、と自負しています。

●●ロンドンを選んだ理由●●
 消去法でした(英語圏というカテゴリーで)。
  ●アメリカは銃撃事件とかあるから、怖そう
  ●カナダは山々しすぎて(山ばかり)で、なんか寒そう
  ●オーストラリアは行ったことがあるから、新鮮味に欠ける
  ●ニュージーランドは…マジに勉強するところには、思えない


       ●●●じゃぁ、イギリスだね。

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